2012年01月10日
超訳の「とんでも超訳」
元祖「超訳」は、上田敏(1874~1916)でしょうか。
Ueber den Bergen Carl Busse
山のかなたへ /カール・ブッセ
原文と対語訳
Ueber den Bergen, weit zu wandern
山のかなた、ずーと遠くに
Sagen die Leute, wohnt das Glueck.
幸福が住んでいると、人が言う
Ach, und ich ging im Schwarme der andern,
ああ、そして、私もみんなと一緒に行って
kam mit verweinten Augen zurueck.
涙のあふれた目のまま帰ろう
Ueber den Bergen, weit weit drueben
山のかなた、ずっと遠く向こうに
Sagen die Leute, wohnt das Glueck.
幸福が住んでいると、人が言う
※ Ueber, Glueck, zurueck, drueben
ブログではウムラウト記号を表現できないので e を付してあります。
上田敏の超訳 出典:『海潮音』
山のあなたの空遠く
さひはひ住むと人のいふ。
ああ、われひとと尋(と)めゆきて、
涙さしぐみ、かへりきぬ。
山のあなたになほ遠く
さひはひ住むと人のいふ。
この「名訳」に対する、星新一の訳(つまり、訳の訳)をご紹介しよう。
「山のむこうの遠くの空の下に
さいわいという名の怪物が住んでいて
暴れているという話なので
自分は人と一緒に止めに行ったが
途中でグミの枝で眼を刺して
涙を流しながら帰ってきた」
出典:筒井康隆著「乱調文学大辞典」(講談社文庫)
******** よい子は決して真似をしないでください********
Ueber den Bergen Carl Busse
山のかなたへ /カール・ブッセ
原文と対語訳
Ueber den Bergen, weit zu wandern
山のかなた、ずーと遠くに
Sagen die Leute, wohnt das Glueck.
幸福が住んでいると、人が言う
Ach, und ich ging im Schwarme der andern,
ああ、そして、私もみんなと一緒に行って
kam mit verweinten Augen zurueck.
涙のあふれた目のまま帰ろう
Ueber den Bergen, weit weit drueben
山のかなた、ずっと遠く向こうに
Sagen die Leute, wohnt das Glueck.
幸福が住んでいると、人が言う
※ Ueber, Glueck, zurueck, drueben
ブログではウムラウト記号を表現できないので e を付してあります。
上田敏の超訳 出典:『海潮音』
山のあなたの空遠く
さひはひ住むと人のいふ。
ああ、われひとと尋(と)めゆきて、
涙さしぐみ、かへりきぬ。
山のあなたになほ遠く
さひはひ住むと人のいふ。
この「名訳」に対する、星新一の訳(つまり、訳の訳)をご紹介しよう。
「山のむこうの遠くの空の下に
さいわいという名の怪物が住んでいて
暴れているという話なので
自分は人と一緒に止めに行ったが
途中でグミの枝で眼を刺して
涙を流しながら帰ってきた」
出典:筒井康隆著「乱調文学大辞典」(講談社文庫)
******** よい子は決して真似をしないでください********
Posted by 六万石 at 06:08