私の補聴器

六万石

2015年06月19日 07:30



 こんな補聴器ですが・・・

50年以上も難聴をやっていれば、
今までに購入した補聴器は数知れない。

最初のは、佐久の、伴野酒造の近くの眼鏡屋で、リオネット
あの頃(昭和40年ごろ)、リオネットしかなかった。

初めて補聴器をつけたとき、
街の雑踏の音とか、
それまで聞こえていなかった音が入ってきて、
びっくりしたものだ。

そのあとはよく覚えていないが、
ナショナル、オーティコン、ワイデックス、シーメンス・・・

種類も、箱型、耳かけ型、メガネ型(現在この型はない)
アナログ、デジタル。

私はオーティコンの箱型の時代が一番長く、
岡谷に転任してからは東京(神田)まで買いに行っていた。

聴力が聴力40dB~60dBの頃は、補聴器もそれなりに機能して、
仕事も、なんとか頑張れた。

箱型の補聴器をかけて廊下を歩いていて、
「歩くときにも英語を聴いているのですか?」
などと、言われた。
超小型のトランジスタ―ラジオと間違えたらしい。

その後、補聴器は飛躍的に進歩して、
耳かけ式・デジタルが主流となり、
さまざまな調整機能がついた。

昭和50年ごろからは私も、
耳かけ式・デジタルを使っていた。

卓球部の顧問をやっていて、
卓球を練習する際には、耳かけ式は有効で、
ボールがラケットに当たるときの音が、
「コツン」「コツン」
と、小気味よかった。

やがて、聴力70dB~80 dBの段階ともなると、
補聴器はほとんど機能しなくなる。

現在は100dBを超えていて(障害2級)、
どんな高額な補聴器を試してみても、
どれもこれも大差はない。

ボリュームを上げると、
音は大きくなるが、言葉として弁別できない。
つまり、コミュニケーションの手段として補聴器は
まったく役に立たなくなった。

結局、昔の箱型に回帰した。
今は、自分の声を聴くためだけに用いている。

補聴器店へいけば、店頭には、
20万円、30万円、40万円・・・、というような補聴器が並んでいて、
「これがオススメです」
などと言われる。

今使っている箱型の補聴器は6万円ぐらいのもので、
福祉補助金でまかなえる程度のものだが、
どういうわけか店頭には置いてない。

「箱型は外国から取り寄せるので日数がかかりますよ」
などと(いやみを)言われる。

そんなわけで、私のは、
まあ、昭和の遺物のような補聴器ではある。

塩尻市の要約筆記入門講座でも、
ちょっと、補聴器の話にも触れた。

「そういう大きな補聴器を使っていれば、
一目で難聴者だとわかり、支援しやすい」
と、おっしゃった方もいた。

ところで今春、若い人たちに話す機会があった。

「それ、補聴器ですか。オシャレですね」
と言われた。
「音楽のプレーヤーみたい」
とも。

' Back to the future ! '
なのだ。
                            [ #補聴器 ]
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2015.6.19








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