私の補聴器
こんな補聴器ですが・・・
50年以上も難聴をやっていれば、
今までに購入した補聴器は数知れない。
最初のは、佐久の、伴野酒造の近くの眼鏡屋で、
リオネット。
あの頃(昭和40年ごろ)、リオネットしかなかった。
初めて補聴器をつけたとき、
街の雑踏の音とか、
それまで聞こえていなかった音が入ってきて、
びっくりしたものだ。
そのあとはよく覚えていないが、
ナショナル、オーティコン、ワイデックス、シーメンス・・・
種類も、箱型、耳かけ型、メガネ型(現在この型はない)
アナログ、デジタル。
私はオーティコンの箱型の時代が一番長く、
岡谷に転任してからは東京(神田)まで買いに行っていた。
聴力が聴力40dB~60dBの頃は、補聴器もそれなりに機能して、
仕事も、なんとか頑張れた。
箱型の補聴器をかけて廊下を歩いていて、
「歩くときにも英語を聴いているのですか?」
などと、言われた。
超小型のトランジスタ―ラジオと間違えたらしい。
その後、補聴器は飛躍的に進歩して、
耳かけ式・デジタルが主流となり、
さまざまな調整機能がついた。
昭和50年ごろからは私も、
耳かけ式・デジタルを使っていた。
卓球部の顧問をやっていて、
卓球を練習する際には、耳かけ式は有効で、
ボールがラケットに当たるときの音が、
「コツン」「コツン」
と、小気味よかった。
やがて、聴力70dB~80 dBの段階ともなると、
補聴器はほとんど機能しなくなる。
現在は100dBを超えていて(障害2級)、
どんな高額な補聴器を試してみても、
どれもこれも大差はない。
ボリュームを上げると、
音は大きくなるが、言葉として弁別できない。
つまり、コミュニケーションの手段として補聴器は
まったく役に立たなくなった。
結局、昔の箱型に回帰した。
今は、自分の声を聴くためだけに用いている。
補聴器店へいけば、店頭には、
20万円、30万円、40万円・・・、というような補聴器が並んでいて、
「これがオススメです」
などと言われる。
今使っている箱型の補聴器は6万円ぐらいのもので、
福祉補助金でまかなえる程度のものだが、
どういうわけか店頭には置いてない。
「箱型は外国から取り寄せるので日数がかかりますよ」
などと(いやみを)言われる。
そんなわけで、私のは、
まあ、昭和の遺物のような補聴器ではある。
塩尻市の要約筆記入門講座でも、
ちょっと、補聴器の話にも触れた。
「そういう大きな補聴器を使っていれば、
一目で難聴者だとわかり、支援しやすい」
と、おっしゃった方もいた。
ところで今春、若い人たちに話す機会があった。
「それ、補聴器ですか。
オシャレですね」
と言われた。
「音楽のプレーヤーみたい」
とも。
' Back to the future ! '
なのだ。
[ #補聴器 ]
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2015.6.19
、
関連記事