2013年03月18日

散髪屋の筆談親切

難聴者は理髪店が苦手である。
最近では「散髪屋」と称して、短時間でやってくれるところが多くできています。
値段が1000円とか、1500円とか、そのぐらいなので、
それもありがたいのだが、それにもまして、
「コミュニケーションの苦労があまりない」
というのが、難聴者にとって特有の、なによりも魅力である。

散髪中は、ケープをかぶっているので、
手話の真似事はできない。

耳の不自由なことを告げて、
「短く」
とか
「分けて」
とか
「耳の出るぐらいに」
と注文すると、
あとは、コミュニケーションがアイマイでも、
一応は、なんとかなる。

頭髪を短く刈り上げてしまってから鏡を後ろから見せて、
「これでいいですか?」
というようなことを言われるが、
良いも、悪いも、ことが終わってからでは、この問いは無意味だ。、

今日は違った。
「耳が不自由です」
というカードを見せたら、早速、
「刈り上げますか?」
と、メモを書いて見せてくれた。

OKして5分ぐらいしてから、
後ろから鏡をあてながら、メモを見せてくれた。
「長いですか?」
と書いてある。

短く切りすぎる前に、メモを見せてもらったのは初めての体験だ。
これが、もし
「短いですか?」
では、意味をなさない。
若いお兄ちゃんだったが、なかなか頭のいいメモだ。

15分ぐらいで終了。
「書いていただいて、ご親切にありがとう」
の言葉に、
とても嬉しそうな笑顔が返ってきた。





Posted by 六万石 at 15:21 │筆談