2022年10月19日

詞先・曲先・ふり先

しづかにきたる秋風の 
西の海より吹き起こり
舞ひたいさわぐ白雲(しらくも)の 
飛びて行くへも見ゆるかな

暮影(ゆふかげ)高く秋は黄の 
桐の梢の琴の音(ね)に
そのおとなひを聞くときは 
風のきたると知られけり
                 島崎藤村、「秋風の歌」より。
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《過去ログピックアップ》

詞先・曲先・ふり先・フォト先 2013.10.3

「あまちゃん」で、プロデューサーの’太巻’の、振先(ふりせん)というのがあった。
楽曲を作るときに「歌詞」を先に作り、
そのイメージに合わせてあとから「曲」をつけるのが「詞先」
曲が先にあって、あとから歌詞をつけるのが「曲先」、
ところが、アイドルの歌の場合、「振り」をまず考えて、
あとから詞や曲を作る・・・という方法があるらしい。

ブログの記事を書くときも、同じようなことがあります。
とにかく写真をとって、あとからテキストを加える。
「フォト先」とでも言おうか。

逆に、初めに、イメージした詞(テキスト)があって、
あとから、それに合う風景を探す「詞先」。

昨日、ペンペン草との交流会で伊那方面へ行くことになったとき、頭の中に
藤村秋風の歌のフレーズ

暮影(ゆふかげ)高く秋は黄の・・

があって、
そのイメージの風景を探そうという目論見があった。
「詞先」である。

「秋は黄の」
「秋は黄の」・・・・

秋の黄色がどっかにねえかなあと思いながら、
実際には夏日を思わせるようなカンカン照りの中を探してあるいた。

カンテンパパのホール前に、見事な「秋は黄の」を見つけたときはうれしかった。
詞先・曲先・ふり先
2013.10.3

 



Posted by 六万石 at 11:24 │トリビア万華鏡